私たちは、日々、ものづくりを指導する中で、子どもたちが、こちらの想像以上にさまざまなことを考え、学び、成長していく場面を目の当たりにしてきました。子どもたちは楽しみながら学びを広げ、大きく成長していきます。
ものづくりがもつこうした魅力を引き出すには、注目すべきポイントと、少しの工夫が必要です。私たちは、日々の授業の経験を踏まえ、少しでも多くの人々に豊かな学びのあるものづくりの授業をつくるポイントを知ってもらい、子どもと一緒にものづくりを楽しんでほしいと思い、小学校では、図画工作科を中心として、あらゆる教科・領域で、ものづくりのチャンスがあります。しかし、ただ単に、ものを完成させることで満足してはいないでしょうか。小学校のものづくりは、子どもの学ぶ姿を一変させる可能性を持っているのです。本書では、ものづくりで学び成長する子どもの実例を挙げながら、小学校のものづくりが持つ魅力をお伝えします。
手始めに、実際の小学校で子どもたちがどのようなものづくりを学び、どのように変化し、成長しているかをあるがままに見つめ、その中から「ものづくり教育の魅力」を見いだそうと考えました。まず、小学校の諸教科・活動における子どもの実際を紹介しました。