いまほど、「国際政治学」を理解し、その考え方を身に付けることが求められる時代はないだろう。なぜなら、政治経済のグローバル化がますます進む現代社会にあって、日常体験するあらゆる現象は、世界のどこかで起きた(起きつつある)事実と直結しているからである。
事実の理解は、個別の現象を観察するだけでは到達しない。そこで「国際政治学」の登場である。「国際政治学」は、安全保障、経済、人権問題、環境問題などの知識を元にして、事実を大きな枠組みの中で説明することが前提となっている。
本書では、歴史を遡りつつ、基本となる概念、用語を分かりやすく説明しながら、最新の知見を盛り込んでいる。全15章は、いずれも、長く研鑽を積んできた実力派の研究者と、新進気鋭の俊秀が何度も議論を重ねた成果である。
「目の前で起こっていることを、世界レベルでの政治、経済、社会の変化と結びつけて考えられるようにすること、自分の生活が、世界的変化のどのような要素によって動かされているのかを理解すること。この本は、そういう関心を持っている読者にとっての、ガイドブックとして書かれた」(「はじめに」より)。