総合的学習が学校に学びを運んでくる
学習指導要領の改訂で、小学校に英語が入ってきたり、プログラミング学習が取りあげられたりと、新しいことがたくさん行われるようになります。そのため、総合的な学習の時間(総合的学習)は削られてしまうのではないか、行事の時間に組み込まれてしまうのではないか、という不安が教育現場に広がっています。
結論から言えば、そのようなことはありません。むしろ、総合的学習は、カリキュラムマネジメントの中心として、これまでになかった現代的な課題や、各学校・地域で子どもに必要だと考える内容を独自に組み立て、単元として子どもたちとともに学ぶ時間として、新しい学習指導要領の要となる領域とされています。
総合的学習を10倍楽しむために
しかし、これまで教師や子どもが教育内容を自ら選定して単元を構成するという経験が日本の学校教育には、まだまだ不足しています。総合的学習が登場して10数年経った今でもそのことは変わりません。そこで、総合的学習の時間の授業をゼロからつくり、総合的学習を10倍楽しむことをねらいとして本書を作成しました。
Making of を書いてみた
本書はこれまでの総合的学習に関する本とは異なり、本当に現場の先生方が困っておられることや授業づくりのかゆいところに手が届くような内容にしたいと思いました。そのため、第2章にあげた実践例はすべて、その実践ができるまでのMaknig ofを中心に失敗も含めて書きました。お祭りやイベントは、当日も楽しいのですが、そこに至るまでの過程がより楽しいものです。総合的学習も同じで、授業づくりに至る教材研究の時間が楽しいのです。だからこそ、あえてMaking ofをまとめてみました。また、これらの実践はあとがきにある手労研のメンバーが書きました。ぜひ、この本を読んで、子どもとともに学ぶ楽しさ・素晴らしさを味わって下さい。