子どもの豊かな音楽表現は、生活のさまざまな場面で人との関わりを通して、育っていく。それは、必ずしも多くの大人が「音楽」として認める芽生えとは限らない。しかし、子どもが心に感じたもの、表現したいものが確実にある。こうした子どもの表現の芽生えや育ちに気づき、育む力が保育者には必要とされている。
本書では、それに必要な音楽的知識を学び、表現力を磨くための基礎的な内容をわかりやすくまとめた。乳幼児期は、音楽的にも発達が著しい時期である。その具体的な事例を示しながら、音楽的発達を見通した活動のあり方について解説した。また、身体表現活動についても、運動能力についての理解を促すよう心がけた。
音楽は、子どもの生活のさまざまな場面に存在している。日本の伝統的な音楽や地域の音楽、子どもの歌の歴史、音楽と物語の融合等、子どもと音楽との関わりを幅広く捉えられるよう配慮した。
保育者を目指す学生はもちろん、実際に保育の場で活躍されている方々や、子どもを持つ親にとっても、子どもと音楽についての知識を深め、子どもと音楽を楽しむために活用できる内容。