児童福祉法改正に対応し2002年に始まった保育士養成課程の必修科目「家族援助論」は、2011年に「家庭支援論」に名称変更された。保育者の役割は、従来の保育に加えて、すべての子育て家庭への支援に拡大された。子育て家庭や保護者が置かれた状況に対する理解を深め、入所児家庭の保護者支援とともに、地域の子育て家庭への支援を担う役割が加わった。
2018年4月施行の新保育所保育指針と教育・保育要領の改定(改訂)では、保護者と連携した子どもの育ちの支援と子どもが育つ環境への総合的支援の視点が強調されている。家庭支援者としての保育者には、子どもの育ちと子育て家庭・保護者への理解を深める基本的姿勢とともに、実践的支援に必要な保育相談や対人援助技術の習得、社会的資源や関連機関との連携支援のしかたなど、ソーシャルワークの知識や技能を身につける学習が求められる。
本書は保育や児童福祉に関わる専門職を目指す学生等に向け、「家庭支援論」に関する基本的な事項について、わかりやすく解説している。
2017(平成29)年「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」が改訂(改定)告示。2018年4月より実施の改訂(定)に対応。半期15回の授業を想定し、15章構成。巻末に指針抜 粋の付録。