[著]雨倉敏広
価格(税別): ¥ 2,600
本書は、わが国近代憲法の成立・発展の歴史を描いたものである。従来の憲法史は、明治憲法や日本国憲法といった個別の憲法典の成立過程を中心に解説するのが常道であった。しかし憲法史論は、まず国家の全体像が構想され、そのに根幹となる法制度としての個別の憲法典が制定されるのが本来の順序であろう。その観点から本書では、「国制」という概念を用いて憲法の全体像の解明に迫ろうとするものである。
序論第1章 西欧近代民法の継受と教育勅語の制定 第1節 民法典の編纂 第2節 教育勅語の制定 第3節 民法典の再編纂第2章 「温情道義」に基づく調停制度構想の出現 第1節 臨時教育会議の開催 第2節 臨時法制審議会における家事審判所構想の登場第3章 「裁判所と合体」せる調停制度の出現 第1節 家事審判所設置に関する臨時法制審議会審議 第2節 借地借家調停法の制定第4章 人事調停法の制定 第1節 民法における「権利」と「温情」 第2節 家事審判法案の審議及び人事調停法の制定結び