子どもたちに、何をどのように教えるべきか。本書は、文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)等に示された幼児教育の目標に準拠しながら、できるだけ平易に、現場での実践に役立つよう、具体的な「方法」を提案した教科書である。
具体的な「方法」の提案とは、単に個別の対処法を列挙した、という意味ではない。いったい幼児は何を、どのように学ぶべきなのか。幼児にとって「遊び」とは何か。「生活」とは何か。「個性」とは何か。「社会性」とは何か。それらを、幼稚園教諭(保育者)は、どのように理解すべきかを、的確に説明した。また、そうした理解を踏まえたうえで、教育現場で必須の「教育課程」と「指導計画」、「評価」の意味についてもわかりやすく解説している。いずれも、学生に理解し、習得して欲しいと切望する専門研究者たちによる熱意と最新の知見に基づく。
さらに、今後ますます求められる「特別な支援」を必要とする子どもたちの教育や、「情報機器」を活用した教育の要点、小学校教育や地域社会との連携の意味、海外発の特徴ある幼児教育の意義についても、それぞれの分野に通暁した研究者が丁寧に紹介している。