本書の主な内容は博士論文の一部と、その延長として続けて取り組んできた研究が基盤となっている。
日本の文化や社会の中で育つ子どもの音楽的素地を、乳幼児期から児童期への連続性を見据えていかに育むことができるか。これが本書で問うべき課題である。
これまでの研究で明らかにしてきた子どもの日常にみられる音楽表現の実態を、新たなプログラム開発のための基礎資料として捉え直し、それらをもとに考案した音楽・表現活等の内容と方法について、実践を通して検証した結果を明らかにする。
その考察を通して、日本の子どもの音楽的素地の育成に向けた系統的なプログラムの一例を提示することを目指す。